引き寄せの法則
日本では2007年に書籍『引き寄せの法則』シリーズがブームになって以来、関連書籍やWebサイトが次々に刊行されています。引き寄せの法則を簡単に説明すると、ポジティブに考えると良いことが起き、ネガティブに考えると悪いことが起きる、という法則です。良いことが起きることに反対する人はいないかと思いますが、そもそも、順番としては良いことが起きたからポジティブに考えられる、というのが自然です。
以前も書きましたが、わたしは今でこそポジティブ思考な人間になりましたが、数年前までは自分に自信もなく、ネガティブ思考が習い性となっていました。引き寄せの法則を信じるならば、その当時はいつも悪い出来事を引き寄せていたことになります。確かに、今の状況と比較すると、望ましくない出来事が多かったように思います。
わかっていても…
そこで思うのですが、その当時の自分に「ポジティブに考えれば良いことが起こるから、ポジティブに考えるようにしてみては」と言ったところで、急にポジティブに考えられただろうか?ということ。
答えはノーです。望ましくない状況に身を置きながら前向きでいられる人は、日常のニュートラルな状態で、心身共に安定した自分でいられる人。自己肯定感の高い人だと思います。
ネガティブな考えの人は、好循環を生むための、はじめの一歩がとても大変です。わたし自身も、変化を求め踏み出した第一歩は、思い切りと覚悟が必要でした。
行動と思考の順番て…
そんなことを考えていたところ、少し意外な研究結果を目にして、とても興味を持ちました。『楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる』というアメリカの哲学者、心理学者であるウィリアム・ジェームズ氏の有名な言葉があります。一般的にこの言葉は、異なる思想や文化が混在していた米国で、人々の対立をなくすための象徴的な言葉として認識されているように思います。
ですが近年、科学的に『表情(行動)が先で、感情(思考)が後から付いてくる』ことが立証されつつあるようです。ドイツのある実験によると、ペンなどの棒を前歯でくわえると、唇でくわえた場合よりも、楽しい気分になったという報告があります。棒を前歯で噛むことによって、笑った顔と同じような表情を無理やり作った結果、楽しい気分になったということです。
ということは、感情は伴わなくてもいいということです。ネガティブな感情のまま、無理やり笑顔をつくっていれば、そのうちポジティブな感情が湧き上がってくる。ということではないでしょうか。好循環のはじめの一歩のハードルが、少しだけ低くなったように思いました。
これに似たような話があります。「ありがとう」の感謝の言葉も感情は伴っていなくてもいいそうです。もちろん、感謝の気持ちを込めて伝えるに越したことはないのですが、どうしても気持ちが追い付かないときは、誰もいない一人のときに、呪文のように「ありがとう」「愛しています」などの言葉を唱えるだけで、素敵な出来事を引き寄せる効果があるというのです。
都合のいいことは信じよう
わたしは「自分に都合のいいことは信じる」を信条にしていますので、ふと思い付いたときにポジティブな言葉をブツブツと唱えるようにしています。たとえ引き寄せ効果が無かったとしても、明るい言葉を口にしていると自然と明るい気持ちになってくるのは事実なのでデメリットは一つもありません。
表情や言葉、こころとは裏腹でいいとしたら、やってみる価値はあるかもしれません。
それで何の効果も得られなかったとしても、ほんの少し、ご自身のことが好きになれるような気がしませんか?
引き寄せの法則、あなたが『はじめの一歩』を踏み出すお手伝いができたら、わたしも嬉しく思います。
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