『祈り サムシンググレートとの対話』を観て
映画監督・白鳥哲さんが手がけたドキュメンタリー映画で、2012年の9月に公開され2015年12月23日に公開終了するまで、1192日に渡る日本国内における映画興行のロングラン記録(現在は歴代2位)を打ち立てた日本映画です。

ある方に教えられるまで、わたしはその存在を知りませんでした。
ただ、会話の中で聞いたタイトル『祈り サムシンググレートとの対話』が妙に気になってしまい、後日Web検索したところ、有料公開しているサイトを見つけ、さっそく観てみることにしました。
内容は“近年、国内外で科学的な検証が進められている「祈り」について解明するドキュメンタリーでした。
想像通り、というよりそれ以上に今、わたしが出会うべくして出会った作品だと感慨を持ちました。
「祈り」というと宗教的なイメージがある方もいるかもしれませんが、わたしたち日本人にとってはとても身近なものでもあります。幼い頃、てるてる坊主にお願いをしたり、ご先祖様に手を合わせたり、神社で願掛けしたり、親しい人の無事を願ったり…祈りは誰の日常の中にも自然と溶け込んでいるものに思えます。
『祈る』という行いに込められたもの
映画を観ていると、一心に願い、あるいは感謝しながら両の手を合わせる『祈る』という行為は全世界共通なんだと気付かされます。どんな思想の人も国籍年齢性別問わず誰もが一度はしたことがある唯一の所作なのかもしれません。
この映画は『祈りが遺伝子に影響を与えると提唱する筑波大学名誉教授・村上和雄博士の証言を中心に、欧米の科学者やジャーナリストたちによって研究の最先端が明かされる』(映画.comの作品紹介より引用)というものです。
一流の科学者や専門家が行った長年の研究の成果が、わたしが今まで求めてきたあらゆる学びを裏付け、集約し繋げてくれているようで、胸に熱く込み上げてくるものがありました。
世界の遠く離れた国の人を『祈り』で救う。そんな荒唐無稽に思える行いが科学的に解き明かされ、更には『笑顔、祈る心、感動、喜び、慈しみ、思いやり、愛情』などのポジティブな感情が病気、憎しみ、争いをなくしていくことに繋がることも村上和雄博士や世界の研究者によって語られています。世界平和も夢物語ではないのだと思えました。
「出会いは一瞬早からず、一瞬遅からず、出会うべき相手とは必ず会える」と言います。
人と人の出会いに限らず、あらゆる出会いにいえることだと思います。
映画公開から12年も経った今、この作品に出合ったのは必然であり運命。
これから関わる全ての人に、幸せであたたかな心で生きていってほしい。たとえ微力だとしても伝えていきたい、改めてそう強く決意させてくれる映画でした。
名もなき兵士の詩
作品の最後に、こころの深部を震わされるような一編の詩が語られます。
聞きながら、深い感動と共に涙があふれました。調べたところ、ニューヨーク州立病院の病室の壁に書き残された名もなき兵士の詩だそうです。多くの人に知ってほしいと思いました。
以下、全文です。
大きなことを成し遂げるために
力を与えてほしいと、神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと、弱さを授かった
より偉大なことができるようにと
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた
幸せになろうとして、富を求めたのに
賢明であるようにと、貧困を授かった
世の人々の称賛を得ようとして
成功を求めたのに
得意にならないようにと
失敗を授かった
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
いのちを授かった
求めたものは1つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた
神の意に添わぬ者であるにもかかわらず
心の中で言い表せないものは
すべて叶えられた
私はあらゆる人の中で
最も豊かに祝福されたのだ
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