日本一のカメ
いち教師でありながら、数々の賞を受賞し全国に名前を知られている東井義雄さんという方がおられます(平成3年逝去)。東井先生は師範学校時代、何らかの運動部に所属しなければならず、球技や水泳が苦手な先生を唯一、受け入れてくれたのがマラソン部だったそうです。ところが、先生は毎日ビリで、仲間に大きく差を付けられて走る姿を女学生に見られるのが恥ずかしく、辛い思いをしていたそうです。しかし先生はそこでくさらず、「カメはウサギになれない。でも、日本一のカメにならなれる」、「運動の苦手な子、勉強のできない子、ビリの子の悲しみが分かってやれる教師になろう」と決意し、いのちの教育の実践に生涯を捧げていきます。
わたしたちは社会にまぎれると、できることや得意なこと、持っているものばかりに目を向けてしまいがちです。確かに、運動も勉強も仕事も、できた方がいいと誰もが思いますし、できた方が得をしているようにも思います。しかし、『本当に大切なもの』を考えたとき、東井先生の考え方や生き方に学ぶことは多いように思います。
わたしの特殊能力
わたしはヒーリングという職業で生きていくと心に決めたとき、お客さまと向き合っただけで不調の場所が分かったり、一瞬で痛みを取り除いたり、微笑みひとつで心の傷を癒すような特殊能力があれば・・と思ったこともあります。
でもそれは、わたしがすべきことではないんですね。わたしに与えられたもの。わたしがすべきことは、目の前にいるお客様に共感して寄り添いながら、その方に合わせた癒しの時間を提供すること。過去から現在、わたしが経験したあらゆる出来事が、わたしにとっての財産であり、わたしなりの特殊能力とも言えるかもしれません。
あなたならやれることがある
マザー・テレサが残した多くの名言の中にこんな言葉があります。
「あなたができなくて私ができることがあります。私ができなくてあなたができることがあります。だから私たちが一緒に行えば、素晴らしいことができるのです」
わたしはこの言葉をこんなメッセージだと思って受け取っています。
『どんなにダメだと言われている人でも、どんなに自分はダメだと思っている人でも、必ず、あなただからできることがある。あなたならやれることがある。みんながあなたを受け入れ、あなたがみんなを受け入れれば、必ず素晴らしい未来を築いていける』
今、ご自分を肯定できず、自信を失ってしまっている方へ
わたしたちは皆、ダメな部分を持っています。恥ずかしながら、わたしもたくさんダメな部分を持っています。きっと「自分はダメな奴だ」と思ったことが一度もない人は、いないのではないでしょうか。仮にそんな人がいたとしたら、人の心の痛みは全く分からない人だと思います。
苦手なこと。自信の持てないこと。それがあるからこそ、人は成長し、共感し、思いやれるのではないでしょうか。
今、ご自分を肯定できず、自信を失ってしまっている方。
あなただから分かってあげられること、
あなただから出来ること、
あなただからこそやるべきことが必ずあります。
無いはずがない!
わたしは自分自身も含め、誰しも与えられた『すべきこと』が必ずあると信じています。
あなたが自信を取り戻し、今を前向きに生きられることを心より願っています。
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