エモーションフリーって何?

と思いつつも「でもこれがもし本当だったら・・わたしがセラピストして優先しなければならないのは何?それはセラピーの有効性でしょう、確かめないわけにはいきません」
という経緯で、わたしもエモーションフリーを学び、その結果、セラピーで使っています。
考えてみれば、『引き寄せの法則』だって出始めたころは「そんなばかなっ!」ってみんな言ってましたからね。

エモーションフリーの考案者は、一般社団法人行動変容協会代表理事を務める稲垣正信さん、という方です。わたしも直接お話しをさせていただきました。
稲垣さんがおっしゃるには「心の問題を開放する方法は一つではないから色々な心理療法を否定するものではない。だけど一般に認識されている心理療法は時間がかかるし、場合によっては心の痛みを伴うこともある。エモーションフリーの場合、道具も使わず短時間で結果を出せるのだから、まあとにかくやってみるのがいいでしょう」ということです。

エモーションフリーの具体的な方法は、ここでは省略しますが、たとえば、嫌な思い出について考えたときに不安、恐怖、怒りなどの感情と共に、胸の圧迫感や筋肉の緊張といった身体の反応が現れますよね?このセラピーを行うことにより、ストレスやネガティブな感情を書き換えた結果、強い感情が出なくなったり、身体の反応が出てこなくなります。

少しイメージしやすい例えを出すと、バック・トゥ・ザ・フューチャーという映画をご存じでしょうか?この映画の主人公マーティーは、普段は冷静で温厚な性格ですが、「チキン」と言われると冷静さを失ってしまう。怒りがフツフツと湧き上がってしまうんですね。これはマーティーの過去に「チキン」と言われたことですごく嫌な思いをした記憶が残っているからなんです。この記憶が原因となり「怒り」という感情が湧いてきてしまう。エモーションフリーはマーティーのネガティブな記憶に対する反応そのものを書き換えることで「チキン」と言われても何とも思わなくしてしまうことです。

注意したいのは、記憶を書き換えるのではなく、記憶に対する反応を書き換えるということです。
何となく分かっていただけたでしょうか。

エモーションフリーのポイントは、無意識にその問題にフォーカスしていた部分を、無意識レベルで別の方へ意識を向けさせることができることです。その結果、日常での嫌なことに対し、感情をセーブするのではなく、気にならなくなったり、考えることがなくなったりします。そうなると日常的なネガティブなことが激減するために、問題は解決したように見えます。実際にはなくなるわけではないけれど、触れることがないので気にならなくなります。

マーティーの場合で言えば「チキン」と言われて怒らないように気持ちをコントロールするのは『アンガーマネージメント』ですが、「何いってるの?」となるのが『エモーションフリー』です。

人の『今』の感情は『過去』と連動しています。昔の嫌な記憶、たとえば、小学校の体育館裏に呼び出されて、いじめを受けたとします。大人になってから、もう一度その場所に行くと、当時のいやーな感情や不安、身体の硬直が再現されてしまいます。でももし、小学校の体育館裏に呼び出されて行ってみたら、好きな子に告白されていたらどうでしょう。今行っても、きっとあったかい、うれしい感情がわいてくるはずです。

このように、わたしたちの感情は過去と密接に関連しています。エモーションフリーというセラピーは、さっきの例で言うと体育館裏でいじめにあったという事実は変わらないけど、その時の嫌な感情が出てこなくする、というものです。そうなれば、今もう一度、その体育館裏に行ったとしても、いじめの事実は覚えていても、「そういえばそんなこともあったなあ」だけで済んでしまいます。今の自然体な自分で現実と向き合えるということです。

考案者の稲垣正信さんは、長年様々なカウンセリングメソッドを実践・経験してきて、それでも一向に解決しない人というのがいて、そんな人でも問題を解決していくことができたら…との思いから、自ら研究、分解、再構築して、エモーションフリーという新たなカウンセリングメソッドを生み出されました。

この話をきいて、「どういう理屈でそんなことが可能なんだ」とみなさん思いますよね。わたしも思います。ただ、エモーションフリーの詳細な原理を解説しようとすると、心理学の深い理解に加えて、相当量の時間を要するみたいです。だからわたしも原理は理解していません。大切なのは使えること、クライアントさんを嫌な記憶から解放することですから、実際に有効だという事実の方がよっぽど大事なわけです。

ということで、どういう理屈で?と思った後に、「疑わしいからダメ」と思った方は、今は時期じゃないということです。もしも、「疑わしいけど試してみたい」って思った方は、今がその時かもしれないですね。
エモーションフリーセラピーをされているセラピストの方は、わたし以外にもいらっしゃいますので、興味があったらぜひ調べてみて下さい。

記憶の刷り込みが強い場合は数回のセラピーを要することもありますので承知しておいてください。【瞑-Tsumuri】では、カウンセリング時間内に導入することが可能ですので、受けてみたい方はセッション時にお申し出ください。不明な点は質問フォーム、もしくは公式LINEからお問合せください。

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